築50年一戸建て古民家リノベーションweb内覧会【リビング編】

築50年一戸建て古民家リノベーションweb内覧会【リビング編】web内覧会

web内覧会ってなに

web内覧会とは、写真と文章を合わせて、どんな工夫をしたかご紹介する記事です。
これまで3つの空間をご紹介しました。

玄関

築50年一戸建て古民家リノベーションの工事後 玄関

1カ所目は、玄関。
モミジ柄の古いガラス、左官の壁を上手く残しながら、それに馴染む新しい内装仕上げ選定にこだわりました。

キッチン

築50年一戸建て古民家リノベーションweb内覧会【キッチン編】 工事後2

2カ所目は、キッチン。
料理をしてくれる妻のこだわりをくみ取りながら、プロとしてデザインと機能のバランスを保つことを配慮しました。
例えば、
・システムキッチンでウッドワンのスイージを選んだ理由
・必ず入れておいた方が良い機器
・汚れにくい床仕上げ選び
・壁をタイル貼りにする時の注意点
など、キッチンを選ぶ上で参考になることのはずです。

ダイニング

築50年一戸建て古民家リノベーションweb内覧会【ダイニング編】 工事後1

3カ所目は、ダイニング。
2部屋の間の壁を壊して、1部屋の広いLDKにすることで、対面キッチンのダイニングキッチンすることができました。
その他、ニッチを設けたり、照明器具選びにこだわったり、細かな工夫とアイディアで、使いやすいダイニングになっています。

今回は、リビングをご紹介。
リビングは、一番こだわりました。

築50年古民家の様子

まずは、工事前の状況を確認してみましょう。

元は、懐かしい気持ちになる和室でした。
お盆や正月に行く祖父母の家や、田舎暮らしの人の実家っという雰囲気。
この部屋を見た時に、設計コンセプトが瞬時に頭によぎりました。
古くからある着物の加賀友禅に使われている加賀五彩
その1色である草色を使った左官の壁が、とても印象的。
雪見障子や組子を使った、こだわりのある障子。
それぞれ傷みが少なく、十分に活用できることから、草色の壁と障子を活かした空間づくりを考えました。

部屋の広さは8畳。
床の間、仏間、収納を入れると10畳。
隣の台所は8.6畳なので、2部屋を足すとLDKとして十分にスペースがとれます。
目安として15畳以上あれば、対面キッチンでソファーセットを置ける広さのLDKができるので、覚えておきましょう。

築50年一戸建て古民家リノベーションweb内覧会【ダイニング編】 工事前1

また、一般的な新築住宅の天井高さが2400mmなのに対して、この住まいは2600mmありました。
天井の高さが高い分、空間的な広がりを感じられるので、高さ方向のゆとりもこの住まいのいいところです。

リノベーション後、古民家がどう変化したか

それでは、この和室がどのようなリビングになったのか解説します。

木造一戸建て住宅のリノベーション ビフォーアフター4

草色の左官の壁、障子を残し、古民家らしい雰囲気を保つようにしました。
それら古民家らしい仕上げに似合うよう、しっかりと仕上げを選定。

こだわりのクルミの無垢材フローリング

無垢材のクルミのフローリングに自然素材の蜜ろうワックスを塗った床

床は、無垢材のクルミに自然素材の蜜ろうワックス塗りを採用。
経年美化した柱や木部を見せるデザインなので、フェイク素材であるシート張りのフローリングは考えられませんでした。
多少の傷や経年による色の変化は味になり、いつか古い木も新しい木も馴染んでいくことに期待しています。

質感を合わせた左官仕上げの壁

自然素材の左官仕上げwallo(ウォーロ)

壁は、白い左官仕上げを採用しました。
草色の左官の壁に、異素材のビニルクロスでは違和感があます。
せっかく自然素材なので、新しい部分も同じ手法による自然素材にするほうが、雰囲気として馴染むと考えました。
ただし、同じ草色にすると、古い部分と新しい部分で微妙な色味の違いで違和感が出ます。
そこで、色の中で最も抽象度の高い白を選びました。
白であれば、既存の草色が映えるし、邪魔しないシンプルな仕上がりに見えます。
もし色を付ける場合は、白い材料に色味を出す材料を入れるため、今後補修が生じた場合、色合わせが難しくなります。
メンテナンス面を考えても、白にしておくのが無難です。

明るい色味のシナ合板

シナ合板の天井

天井、扉、巾木(壁と床の見切り材)は、シナ合板を選びました。
比較的リーズナブルな材料で、色味も明るいのが採用理由です。
古いまま残した材料は濃い色のため、新しい材料はなるべく明るい色と決めていました。
なぜなら、色を合わせにいくよりも、新旧のギャップがある方がきれいに見えるからです。
また、天井を濃い色、暗い色にすると圧迫感が生まれてしまいます。
シナ合板であれば、明るく白っぽい色味なので、圧迫感はありません。

一体性と雰囲気を分けることの両立

築50年一戸建て古民家リノベーションweb内覧会【ダイニング編】 工事後2

ダイニング、キッチンとは、一体的につながっています。
ただ一体的にするのではなく、あえて長押(なげし)という和室の装飾材を残し、身長よりも高い位置で、DKとリビングの雰囲気に変化を与えました。
DKは、新しい仕上げ材で構成されている実用的な空間。
リビングは、古い仕上げを残しながら、新旧が混在したリノベーションらしいデザインの空間です。
身長180cm以上の人は、長押に頭をぶつけるので、私が高身長だったらこのようにはならなかったでしょう。

リビングのこだわりポイント

リビングのこだわりポイントは3つ。

照明器具

スポットライト照明を天井に照らし反射光で部屋を明るくする

1つ目は、照明器具の取り付け位置
リビングの照明は、ダウンライトやシーリングライトが多いですが、どちらも天井に取り付けるものです。
ダウンライトは、シンプルで見た目が良いですが、光源が直接見えてまぶしくて不快。
リビングでは、ソファーの上でうたた寝もするので、光源が見えない照明器具にはこだわっていました。
一方でシーリングライトは、光源はカバーで隠れているけれども、見た目がいまいち。
単純に、格好悪いですよね。
そこで思いついたのが、スポットライトで天井を照らす方法です。
これなら光源が直接目に入らず、反射光の柔らかな光で、部屋全体が均等に明るくなります。
この方法を採用するために、天井を高くし、照明器具取付スペースを設けました。
ただし、これから年齢を重ねて目が老化すると、いずれこの環境で活字が読めなくなるはず。
その時は、ダクトレールを設けたので、照明器具を足すことで解消します。

作業用カウンター

タモ集成材を使った作業用(PC)カウンター

2つ目は、作業用カウンターの設置です。
夫婦共々、家でパソコンを使ったデスクワークをすることが多く、広い作業スペースは必須。
そこで、元は床の間と仏間だった部分を解体し、奥行き600mmのタモ集成材でロングカウンターを設置しました。
長さにして、約2500mm
これだけあればパソコン2台に、プリンターを置いても十分余裕があります。
将来的には、子供の宿題もここでさせることができるかもしれません。
ちなみに照明器具は、ダイニングとデザインを統一した丸いシンプルなデザインを採用。
PanasonicLGB81469WCE1

扉ではなくカーテンを使う

収納をカーテンでラフに仕切る

3つ目は、収納をカーテンで仕切ったこと。
リビングに設けた小さな収納ですが、写真でお見せすることができないぐらい、ものでいっぱいです。
リビングは、想像以上にものがいっぱい。
ハンコ、筆記用具、書類、本、薬など、どれも小さなものばかりで、散らかりやすい。
そこで、リビングには小さくてもいいので、収納を設けておくのがオススメです。
これらリビングの雑品は、使用頻度も多く、パッと取り出せるのが理想的。
この収納が扉だと開けっ放しにもしにくく、開け閉めするのが意外と面倒。
カーテンであれば、来客時は閉めておいて、普段は開けっ放しにしやすいので、とても便利です。
見た目も軽快な感じで、布の種類もこだわりすぎなければ扉をつけるよりもリーズナブル。
収納は扉で仕切るものと先入観を持たず、カーテンという選択肢も是非検討して下さい。

不動産内見時にいいなと思ったことを素直に表現しながら、細かな工夫を加えることで、自分だけのくつろぎ空間ができます。
新築でも真似できることもあるので、是非参考にして下さい。

この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
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