![](https://i0.wp.com/renovation-life.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/woman.png?w=1256&ssl=1)
リノベーションってすごくおしゃれなイメージ!
でも、リノベーションらしいデザインにするには、どうしたらいいんだろう?
![](https://i0.wp.com/renovation-life.com/wp-content/uploads/2019/12/190629_STUDIO_1295-e1575688190972.jpg?w=1256&ssl=1)
面影がないほど、劇的に変化させるリノベーションもあれば、しっかりと面影を残したリノベーションもあります。
オススメは、我が家でも採用した面影を残すデザインです。
今回は、そんなデザインのコツについて解説します。
- 古民家の魅力は、経年美化
- 障子、欄間といった繊細な造作を再利用すると、古民家らしいおしゃれな雰囲気になる
- 新築の設計のポイントは、目に見える線を減らしスッキリ見せること
- リノベーション設計のポイントは、古いものの残し方
- 残し方1:あえて違う色味でギャップを作る
- 残し方2:周辺も含めて大きめに残す
- 残し方3:古い部分は塗装せず、経年美化を楽しむ
- 性能向上の観点から、外壁側は残すことが難しい
古民家の魅力とは
古民家の魅力って何か。
そう聞かれた時、私は「経年美化」と答えます。
長い年月を経て、傷むのではなく、美しくなるものです。
この写真をご覧ください。
![](https://i0.wp.com/renovation-life.com/wp-content/uploads/2020/01/DSC_2242-scaled.jpg?fit=1024%2C684&ssl=1)
畳は傷んで見えるかもしれません。
しかし、その他の部分はどうでしょうか。
緑色のじゅらく壁の発色はきれいだし、木はアメ色になり落ち着いた雰囲気があります。
新築で見る木の色とは違い、ここまで変化するのに長い年月が必要だと考えると、ここに価値を感じませんか。
海外であればヴィンテージと評価されるでしょう。
私がこの住まいに惚れて、購入に至った理由の一つは、この経年美化を感じられたからです。
細部に宿るおしゃれなポイント
最近の住まいで見かけなくなった細かい造作も、古民家ならではの魅力。
例えば、障子(しょうじ)です。
新築でもたまに見かけますが、雪見障子や組子と呼ばれる装飾的な障子は滅多に見かけません。
我が家では、着工前にきれいに外して、写真のように保管しておき、再利用しました。
![](https://i0.wp.com/renovation-life.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_0658.jpg?resize=1024%2C768&ssl=1)
障子以外に、和室らしい設えの一つである欄間(らんま)も、近年の住宅では見かけなくなりました。
欄間は、襖(ふすま)の上、天井の下にある木の造作物です。
古くは、部屋の採光や通風、換気を確保するために設けられた歴史があります。
また、欄間は彫刻による繊細なデザインが多く、和室を彩る装飾として用いられることも。
有名なものだと、100万円以上するものもあり、その住まいのステイタスシンボルにもなっていました。
我が家には、写真中央にある雲のようなデザインのものがあり、こちらも再利用。
![](https://i0.wp.com/renovation-life.com/wp-content/uploads/2020/01/DSC_2232.jpg?resize=1024%2C684&ssl=1)
近寄って見てみるとこんな模様をしています。
彫刻でとても繊細で、木の模様まで考慮して彫られている。
![](https://i1.wp.com/renovation-life.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_4258-scaled.jpg?fit=1024%2C768&ssl=1)
残し方の設計がリノベーションらしさ
新築の住宅だと、壁に凹凸がなく、スッキリと設計するのがスタンダートです。
よく「目に見える線を減らすのが設計の鉄則」と、建築士の諸先輩に教えてもらいました。
一方で、古民家には、上記で紹介したような線の多い繊細なデザインが多い。
これら古民家らしいものを、いかにきれいに残すかがリノベーション設計のポイントになります。
言うなれば、「残し方の設計」です。
新築のように、スッキリと見える線の少ない設計は難しいでしょう。
しかし、それら繊細なものを邪魔しないよう、同じ素材や色で馴染ませたり、時に額に絵を飾るよう扱う等、古いものを尊重するように設計します。
アメ色に経年美化した木、繊細な障子や欄間の残し方に配慮し設計した住まいの、Before-Afterがこちらです。
![一戸建て住宅のリノベーションビフォーアフター](https://i0.wp.com/renovation-life.com/wp-content/uploads/2020/01/DSC_7127_2.jpg?resize=768%2C1024&ssl=1)
新しく入れたフローリングや造作の扉は、アメ色に変化した古い木とは無理に合わせません。
あえて反対の明るい色味にすることで、経年美化の濃い色味が映えるようにと考えました。
障子は紙を張り替えただけ、欄間は掃除程度でそのまま同じ位置で再利用。
障子や欄間に触れる壁や木もそのまま残したので、違和感なく自然に残っています。
・あえて違う色味で、ギャップを作る。
・残す部分は、周辺も含めて大きめに残すことで、自然に見せる。
・残す部分は、塗装できれいにせず、経年美化の様子を楽しむ。
これら3つの残し方の設計で、古民家ならではの空間イメージを維持したリノベーションに成功しました。
残すことが難しい部分
残し方の設計において、残すことが難しい部分があります。
それは、外壁に面する部分です。
外壁に面する部分は、耐震補強や断熱補強に関わってくるため、壊さなければ上手く工事ができません。
いくらきれいな古民家でも、性能が伴っていなければ快適に暮らせません。
見た目のデザインだけで、購入を訴求するリノベーション会社、不動産会社はいます。
見た目がよくても、夏暑くて冬寒い住まいでは、快適な暮らしができません。
そのため、リノベーションする際も、デザインばかり追わず、性能面も気にしましょう。
我が家は、断熱性能を高めて、33畳の空間を14畳用のエアコン1台で冷暖房しています。
オール電化で、年間の電気代は約11.6万円。
そんなエコで、省エネなお得な暮らしの秘訣はこちら。
今回の記事からの学び
- 古民家の魅力は、経年美化
- 障子、欄間といった繊細な造作を再利用すると、古民家らしいおしゃれな雰囲気になる
- 新築の設計のポイントは、目に見える線を減らしスッキリ見せること
- リノベーション設計のポイントは、古いものの残し方
- 残し方1:あえて違う色味でギャップを作る
- 残し方2:周辺も含めて大きめに残す
- 残し方3:古い部分は塗装せず、経年美化を楽しむ
- 性能向上の観点から、外壁側は残すことが難しい
この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
TwitterやInstagramのフォローもよろしくお願いします。