リノベーションは調査が大切で、理想の間取りよりも可能な間取りにする方がいいと言うことはわかりました。
でも、どうしても間取り変更したいんですよね。
そうですよね。昔の暮らし方と、今の暮らし方は違いますし、それにあった間取りにすべきです。
でも、無制限に間取りを変更するのは危険です。
今回は、間取り変更のポイントを解説しますね。
リノベーションらしさを活かした設計をしよう
夢のマイホームと考えると、新築だろうがリノベーションだろうが、要望が大きくなってしまいます。
新築では、規模が大きくなりすぎて予算オーバー。
リノベーションでは、無理な間取り変更による構造補強費用でコストアップ。
新築でも、リノベーションでも、要望が大きくなりすぎることには気をつけましょう。
ポイントは、「理想の間取りよりも、可能な間取り」にすることです。
また、せっかくのリノベーションなので、リノべらしさを活かすことも良いでしょう。
既存の建具や壁、デザインを活かすことで、新築にはないオリジナリティある雰囲気になります。
様々な場面で、無理をしないことがリノベ成功の秘訣です。
大きな間取り変更は危険
リノベーションでは、無理な間取り変更は禁物です。
無理なというのは、
・柱を抜く
・筋交い(すじかい)を壊す
・梁(はり)を取る
ような行為を指します。
これらは構造に影響し、耐震性能を低下させる可能性が高いです。
無理な間取り変更は、「広々としたLDKが欲しい!」といった要望がある時に発生しやすい。
今でこそLDKという部屋が当たり前ですが、まだ100年も経っていない歴史の浅い部屋です。
古い住まいは、リビング、ダイニング、キッチンそれぞれ別の個室でした。
そのため、広々としたLDKにしようとした際、柱や筋交いが邪魔をして、無理な間取り変更になってしまいやすいのです。
我が家も抜けない柱が、LDKのど真ん中にあります。
意外と邪魔ではないですよ。
全ての柱、筋交い、梁が抜けないかと言うと、必ずしもそうではありません。
構造のバランスによっては可能ですし、崩れたバランスを補強することで抜くことができます。
ただし、補強はコストアップの要因です。
補強頼りの間取り変更をするぐらいなら、他の物件を探すか新築にした方が、希望の価格で理想の暮らしが実現できるでしょう。
ちなみに、リノベーションの工事費用の目安は、こちらの記事を参考にしてください。
意外とおすすめ!和室が2室以上並ぶ間取り
では、どのような間取りだと広々としたLDKを実現しやすいか。
意外とおすすめなのが、和室が2室以上並ぶ間取りです。
その2室を合わせた大きさが、15畳以上あれば、一般的なLDKが作れます。
対面キッチンがあり、ダイニングテーブルが置け、ソファーセットが配置できる目安が15畳です。
写真のように、襖(ふすま)で仕切られていて柱がない場合は、とても間取り変更がしやすいです。
構造に関係ないもので間仕切りされているだけなので、自由につなげられます。
もし間取り変更をしたいと設計段階で考えるのであれば、まずは柱の位置に注意して考えましょう。
そのために、しっかり調査をして下さい。
調査については、こちらの記事が参考になります。
私はこうして設計をした
以上を踏まえて、私がどのように設計したかと言うと、抜いた柱は1本だけでした。
しかも、それは調査の結果、補強の必要がない、構造的には影響の少ない柱です。
たった1本の柱を抜いたぐらいで、空間の使い方や印象をガラッと変えることができました。
その理由が、2室以上並んだ部屋を上手くつなげられたからです。
こちらのBefore-Afterの写真がわかりやすいでしょう。
8畳に床の間や仏壇がついた和室と、8畳の台所の間仕切りを壊してつなげました。
これで8畳と8畳の部屋をつなげて16畳のLDKにし、床の間や仏壇は作業用カウンターにしています。
前述の通り、15畳あれば対面キッチンで、ダイニングテーブルを置いて、ソファーセットも置ける。
まさにその通りになっています。
ただし、真ん中に柱があったので、それは無理に抜きませんでした。
柱があった位置がよく、ダイニングとリビングのちょうど真ん中で、通行の邪魔になりません。
このように、シンプルに2室を足すという考えでいけば、意外と上手くいきます。
とにかく、構造に影響するような無理な間取り変更は禁物です。
今回の記事からの学び
- 夢のマイホームで、要望が大きくなりすぎることに要注意
- 無理をしないのが、リノベーション成功の秘訣
- 無理な間取り変更は、構造に影響する
- 構造に関係のないもので間仕切りされた2室が並んでいれば、間取り変更のチャンス
- 15畳あれば一般的なLDKができる
この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
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