web内覧会とは
今回で5回目の、我が家のweb内覧会。
部屋ごとに、ビフォーアフターをご紹介しました。
建築士ならではの工夫を盛り込んだので、是非参考にして下さい。
一番こだわったのは、リビングです。
それでは、今回は古民家ならではの縁側について、ご紹介します。
縁側って何をするところ
そもそも縁側って何をするところなのか、疑問に思うでしょう。
縁側は、「料理をするためのキッチン」、「くつろぐためのリビング」といった明確な用途はありません。
歴史的には、3つの役割があると言われています。
- 空間に奥行きを作りだし、部屋の広がりを感じさせる
- 客人を迎えるコミュニケーションの場
- 夏の強い日差しを部屋に入れないクッションの場
要は、生活を快適で豊かなものにする余白こそが縁側の役割です。
一般的なリノベーションなら、縁側は取り壊して、他の部屋を広くしようとなります。
しかし、私はその余白こそが、古民家リノベーションならではの豊かさだと考え、あえて残す選択をしました。
築50年古民家の縁側
リノベーションする前の縁側は、どんな様子だったのか。
真南に大きな窓があって、その向こう側は庭になっています。
太陽の光が差し込み、床は部分的に日焼けしていました。
経年変化が、いい味に感じられます。
田舎にある祖父母の家を思い出させる、ノスタルジックな雰囲気。
リノベーションでどう変化したか
ノスタルジックな雰囲気の縁側をリノベーションするにあたって、ますはしっかりと解体しました。
ここまで解体したのは、断熱リノベーションをするためです。
床下、壁の中、天井にしっかりと断熱材を施工し、省エネでお得な快適住環境を手にできました。
部屋の用途としては変更せず、縁側は生活を豊かにする余白として残しました。
デザインのポイントは、古い柱や障子、草色の壁をそのまま残すことです。
この部分で、古民家らしいノスタルジックな雰囲気を残しています。
また、カーテンはあえてつけていません。
既存の立派な障子があるので、プライバシーを確保したいときは、障子を閉めます。
昼間は障子を開けっ放しにして、庭まで視線が抜ける広がりあるLDKになる。
まさに、空間に奥行きを出す場所として、縁側が機能しています。
窓は、既存のアルミサッシの内側に、もう1枚樹脂製の内窓をつけています。
夏は74%、冬は52%の熱が、窓から影響を受けるので、断熱補強の対策です。
内窓であれば、外壁を触らずに工事ができ、価格を抑えられます。
副次的効果として、防犯性も上がるのでオススメ。
余白を楽しむ家具配置
生活を豊かにする余白として縁側を残しましたが、少しもったいないと感じました。
そこで、縁側を楽しむために一人掛けのソファーと、他の古民家からいただいた棚を設置。
ソファーはROCKSTONEというメーカーで購入。
ここは私の読書スペースです。
飲み物は、障子を開けた腰壁の上に置きます。
昔なら罰当たりと言われてしまいそうですが、アイデアで既存部分を残して活かすのが、この古民家リノベーションの真骨頂。
縁側という余白を、家具によって楽しむことができています。
建築的な部分で解決できないことは、家具で解決できるので、家具選びもこだわってください。
この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
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