築50年一戸建て古民家リノベーションweb内覧会【玄関編】

築50年一戸建て古民家リノベーションweb内覧会【玄関編】web内覧会

古民家リノベーションのコンセプト

一級建築士の私が、あえて古民家リノベーションを選んだのには、理由があります。
妻が個人事業主でローンが組めなかったので、私一人で土地も建物も手に入れ、要望も叶えるには、リノベーションしか可能性がなかったからです。

せっかく築50年の古民家をリノベーションすることになったので、経年美化の精神で古民家らしさを残すことをコンセプトに掲げました。
左官の塗り壁、障子、柱を可能な限りそのまま残し、それにあうよう新しい材料を必要に応じて加えた。

ただし、性能には妥協したくなかったので、しっかりと断熱性能を向上させました。
レベルで言うと、平均よりも上。
断熱性能にこだわった工務店レベル程度です。

おかげで、24時間エアコンをつけっぱなしにしても、電気代がかなりお得な住まいになっています。
オール電化で、年間11.5万円と言うと、プロでも「それは安い!」と唸るほどです。

築50年の古民家の様子

古民家らしさを大切にするには、工事前の元の住まいが大切。
まずは、玄関まわりからご紹介します。

築50年一戸建て古民家リノベーションの工事前 玄関

左側の箱は下駄箱です。
階段の左側の引き戸から和室に入ることができ、右のドアからキッチンに入ることができます。
階段の縦の手すりが、なんだか昭和っぽさがある。

築50年一戸建て古民家リノベーションの工事前 玄関2

反対側から見た様子。
玄関は引き違い戸で、広々としています。
そして、ポイントは玄関上の明かり窓
ここから朝日が差し込み、気持ち良く出勤できる感じです。

築50年一戸建て古民家リノベーションの工事前 玄関3

腰壁は小さな石を固めた面白い素材で、工事で出入りした左官屋さんが「懐かしいなーこんな仕上げもうしないな」と言っていました。
その上の窓には、モミジの葉っぱ模した柄付きのガラス
これもまた珍しい。

紅葉の葉が描かれた柄付きのガラスと小石の左官壁
  1. 引き違い戸の上の明かり窓
  2. 腰壁の小さな石の左官仕上げ
  3. 柄付きのガラス

この3点が、古民家リノベーションらしい玄関の雰囲気を作るポイントです。

古民家リノベーション後の玄関

それでは、リノベーションでどうなったのか解説。

築50年一戸建て古民家リノベーションの工事後 玄関

左側に見えている下駄箱、右側に見えている飾り棚、それらに取り付く左官の壁はそのまま残しました。
また、2階は今回工事していないので、階段より上も古いままです。
写真ではわかりませんが、階段の蹴込み(白い部分)は、壁と同じ左官で仕上げてあります。
工事前は、蹴込みにビニルクロスが張られていて、せっかくこの家全体でビニルクロスを使わないようにしていたので、頑張って塗りました。
階段のこの小さな面を塗るのが難しかったです。
養生しては塗りを繰り返し、1人で8時間ぐらいかかりました。

築50年一戸建て古民家リノベーションの工事後 玄関2

玄関の引き違い戸は、鍵の関係で新しくしました。
元の引き違い戸は、室内から穴に鍵を差し込むネジ締り鍵と呼ばれるもの。
リノベーションで勝手口を無くし、出入りを1ヶ所にしたので、外から鍵を閉められるものに取り替えました。
玄関上の明かり窓はそのまま残し、晴れた日の朝は清々しい気持ちで出勤できます。
また、工事前は行き止まりでしたが、壁を解体して廊下を作りました。
ここには、私が趣味で撮った写真を飾っています。
この廊下により、玄関ホールからLDK、縁側とぐるりと回遊導線になっており、片付けにとても便利です。

築50年一戸建て古民家リノベーションの工事後 玄関3

腰壁の小石、モミジが描かれたガラスは、そのまま残しています。
プロならお気付きかもしれませんが、これらが残っているということは、玄関は断熱改修していません。
総工事費を安くするために、リノベーションする部分を限定しています。
間取り変更に伴い、壊れた内装は新しいものに復旧。
床は無垢材のクルミに、蜜ろうワックスをDIYで塗り、無垢材の良さを最大限に活かしています。

壁は、自然素材の珪藻土と漆喰の混合材料Wallo(ウォーロ)を、これまたDIYで塗りました。
自然素材で湿気を吸放湿してくれ、また人の手仕事が見える仕上がりで、ビニルクロスにはない魅力があります。

天井と造作建具は、シナ合板を使っています。
人の手が触れない天井は、無塗装でコスト削減。
手を触れる造作建具は、床と同じ蜜ろうワックスをDIYで塗装しました。
天井に濃い色の材料を使うと圧迫感があるので、明るい色味のシナ合板が最適。

築50年の古民家の味わいをいい感じに残す

我が家の玄関は、どうでしょうか。
築50年の古民家の味わいを残しながら、不都合のある部分は改めています。
素材の選定については、なるべくシンプルに考えました。
古い木の部分を見せるように考えたので、可能な限り自然素材を選定。
古いまま残した部分は、再塗装はせず、掃除だけで終わらせたのもポイントです。

唯一の失敗は、古い下駄箱だとカビが発生しやすいこと。
通気性が悪く、断熱改修もしていないので湿気がこもりやす。
ここは想定外でしたが、調湿剤で調整しています。
とはいえ、玄関が広いので、お客さんが来ない限り靴は広げたままです。
新築だとここまで広い玄関を作ると無駄なので、既存に逆らわないリノベーションならではの贅沢かもしれません。

この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
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