建築士が古民家リノベーションを選んだ理由

一級建築士が一戸建ての古民家リノベーションを選んだ理由着工前に考えたこと

なぜ建築士が新築じゃなくて、リノベーションで家づくりしたの?
建築士として、ゼロからデザインしたくなかったの?

本当は新築で設計して、家づくりしたかったですよ。
でも我が家の要望、条件を考えるとリノベがベストな選択でした。

この記事から学べること
  • 家づくりしたくなった時が、はじめる最良のタイミング
  • 最初に考えるのは、暮らし方(ライフスタイル)
  • 暮らし方(ライフスタイル)がまとまれば、要望がまとめられる
  • 個人事業主はお金を借りるハードルが高い(3年間の所得の証明が必要)
  • 新築でダメなら、中古の空き家に可能性があるかもしれない

建築士が家づくりをはじめたきっかけ

きっかけは単純で、一戸建てが欲しくなったから。
今思い返せばその衝動的な思いの背景には、様々な要素があったと思います。

結婚し1年で、カメラマンとして個人事業主になった妻。
金沢の小さなフォトスタジオLife is wonder
4.5日に1回は雨の降る北陸では、ロケーション撮影だけでカメラマンとして収入を得るのは不利な状況です。
また私も写真を撮るので、アパートのリビングで料理撮影等の練習をしていましたが、とても狭くてやりにくい。
そして私がアパートを嫌になったのは、夏暑くて冬寒い不快な住環境でした。
冬場の窓は結露し、頭は暑いけど足元は寒い状況で、上下で寒暖差がありました。

妻の仕事の変化、快適な住環境で暮らしたい気持ちが積もりに積もり、一気に爆発したのだと思います。
ある意味、欲しい時に欲しいものを手に入れるシンプルな考えです。

まずは暮らし方について考える

家づくりをしたい!という気持ちが整いました。
そこで一番最初にはじめたのが、暮らし方を考ることです。
家づくりで間違えやすいのが、家を建てることを目的にしてしまうこと。
本当は家が完成した時がスタートで、そこで何十年と過ごす暮らし方を目的にしなければ満足のいく家づくりはできません。
暮らし方は別名「ライフスタイル」と呼ばれます。
Hanako、ESSE、リンネル、BRUTUS、pen等、ライフスタイルを題材にした雑誌は沢山あります。
書店のライフスタイルコーナーを参考に、家族で話し合って考えるのも良いかもしれません。
この暮らし方、ライフスタイルが、家づくりへの要望につながります。
建築士とカメラマン夫婦の我が家は、雑誌を見ずとも明確な暮らし方の像がありました。

快適な環境で、楽しく仕事もできる暮らしがしたい

見出しにもある通り、「快適な環境で、楽しく仕事もできる暮らし」が我が家の理想です。
快適な環境は、夏暑く冬寒いアパート暮らしのデメリットの解消をしたいと思っています。
不快な温熱環境は体調を崩す原因になり、家事や仕事への活力を失うのでよくありません。
また実家には広々した庭がありました。
自然や緑を感じられ、心が豊かになる快適性も私は望んでいました。
そしてカメラマンとして個人事業主になった妻は、デスクワークは自宅で行っています。
作業環境は快適な方が、仕事が楽しくはかどるはずです。
更に自前のスタジオも併設できたら、事業発展も夢ではありません。
この暮らし方を要望化するとこうなります。

・断熱性が高い住まい
・庭がある、または借景で緑が見える
・スタジオが併設できそうな広い家

これを一言でまとめると、「高性能で広い住まい」となります。
この時点である程度コストがかかりそうなことが想像できました。

リノベーションを選んだ本当の理由

暮らし方が決まり、要望としてまとめることができ、ここで初めて予算について考えました。
「高性能で広い住まい」は、コストがかかります。
ここで我が家には、理想的な暮らしを阻む致命的な問題がありました。

お金が借りられないよー!!!!

そう、妻は個人事業主1年目で、住宅ローンを組むのがほぼ不可能な状態でした。
事業者が住宅ローンを借りる際、概ね3年間の収入で判断されます。
3年分の所得が証明できて、はじめて収入があるとみなされ、返済能力があると判断されます。
一方で、私はサラリーマン(給与所得者)。
源泉徴収票で収入を示すことができるので、住宅ローンを組むことはできます。
しかし1人資金力では、土地と建物両方となると明らかに足りません。
暮らし方を描き、要望をまとめ、予算を考えた所、新築は諦めざるを得ない状況でした。
ここで諦めるという選択肢もありましたが、中古の空き家のリノベーションなら可能性があるのではないかと考えました。
つまりリノベーションに至った本当の理由は、コスト面での消去法でした。

ただし、私は一級建築士。(プロフィールはこちら
この無理難題を、知識や経験から基付くアイディアで乗り切るのが仕事です。
現在、快適なリノベ暮らしを実現しているので、難題をクリアしたのは言うまでもありません。
どう乗り切ったのか、乞うご期待。

今回の記事からの学び

  • 家づくりしたくなった時が、はじめる最良のタイミング
  • 最初に考えるのは、暮らし方(ライフスタイル)
  • 暮らし方(ライフスタイル)がまとまれば、要望がまとめられる
  • 個人事業主はお金を借りるハードルが高い(3年間の所得の証明が必要)
  • 新築でダメなら、中古の空き家に可能性があるかもしれない