断熱リノベーションした住宅でエアコン24時間つけっぱなしは効くのか

断熱・気密

電気使用量から見るエアコン24時間つけっぱなしの状況

2020年12月で築年数約50年の古民家住宅をリノベーションして2年が経ちます。

1年目は冷房期も暖房期も、エアコンを点けたり消したりしながら過ごしていました。

2年目に入ってからは、夏も冬も24時間つけっぱなしです。

電気使用量や電気料金からの効果検証は、以前記事をご覧ください。

さて、引き続き毎月電気使用料を記録しています。

電気使用量の推移を見ると表の通り。

電気使用量[KW]昼間ウィークエンド夜間合計昨対比
2019年1月154 169 396 719 
2019年2月13293369594
2019年3月12363293479
2019年4月11241235388
2019年5月4456175275
2019年6月5922136217
2019年7月8951156296
2019年8月11645174335
2019年9月7641140257
2019年10月5737144238
2019年11月9642208346
2019年12月14461304509
2020年1月13412838264490%
2020年2月1327333754291%
2020年3月13261321514107%
2020年4月11963292474122%
2020年5月6354187304111%
2020年6月8740166293135%
2020年7月9545169309104%
2020年8月11049177336100%
2020年9月9255172319124%
2020年10月7329169271114%
2020年11月8549218352102%
平均109%

つけっぱなしの方が9%多いという結果。

ここで注目したいのが、3〜6月と9〜10月の前年比です。

中間期とその移行期間の電気使用量が増加しています。

24時間運転の方が快適でその環境から抜け出せなくて、使用期間が延びてしまっていると考察できる。

一方で1月〜2月や7月〜8月のエアコン最盛期は、前年比並みか少なくなっています。

エアコン最盛期は24時間運転がお得で、中間期や移行期間にどのタイミングで止められるかが電気料金に影響することがわかりました。

もちろん、その年の気候条件によって左右されますが、これは一つの大きな気付きです。

エアコン24時間運転は快適なのか

電気使用量がある程度抑えられていることと、快適さは別の話。

数値で管理しているため、我慢して抑えているのでは?と思う方がいるかもしれません。

そんな疑惑を払拭するため、2年目にして温湿度計を購入しました。

株式会社エー・アンド・デイ製の「みはりん坊W」です。

少し高いですが、住宅の断熱性能に関する専門書で紹介されていたので、専門家が認める商品だと思います。

これをエアコンが設置されているLDKと、壁で仕切られている寝室の2か所に設置してモニタリング。

エアコンの設定温度は20〜21度で、風量は自動設定。

外気は最高気温10度、最低気温8.8度。

測定時刻から推測するに、ほぼ最低気温の時間だと考えられます。

その結果がこちら。

<LDK:エアコン設置室>

<寝室:エアコン設置室と壁で仕切られた隣の部屋>

ほぼ設定温度通りの室温です。

エアコンって意外と優秀だと再認識しました。

断熱の話でよく出てくるイギリスの保健省のデータと照らし合わせると、健康が維持できる推奨温度である21度を満たしています。

また2室の温度差が1度のため、人が体感できる温度差2度以下となり、環境の変化は感じられません。

数値的に見ても快適と断言していいでしょう。

温度だけではなく湿度にも注目

室温は快適であることがわかりましたが、快適さは湿度の影響も受けます。

断熱の専門家である松尾和也氏による「エコハウス超入門」によると、冬場は室温21度で相対湿度40〜50%が目標と記されている。

カビやダニの繁殖防止、風邪防止のための喉の潤いを維持できるのが、相対湿度40〜50%というのが根拠です。

湿度という視点からもう一度温湿度計を確認してみます。

<LDK:エアコン設置室>

<寝室:エアコン設置室と壁で仕切られた隣の部屋>

どちらも相対湿度50%ちょっとで、カビやダニの繁殖する60%というボーダーよりも低いため快適な環境と言えるでしょう。

断熱リノベーションでも快適な住環境が築ける

自分自身でも少し疑いながら工事を進めた断熱リノベーションと、エアコンの24時間連続運転。

色々専門書籍を見て勉強したおかげで、上手くいっていることがわかりました。

体感的には本当に快適だなと感じていましたが、今回温湿度計を購入し測定してみて、快適性が数値的に示せてよかったです。

築50年という古いお家でも、断熱をしっかりすることで健康で快適な暮らしが実現できるので、選択肢の一つに入れてみたはいかがでしょうか。

この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
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