フローリングの種類
フローリングは、住宅で主要となる木質系の床材です。
フローリングと一括りにされますが、主に4種類あります。
特徴を表にまとめてみました。
無垢材 | 挽き板 | 突き板 | カラーフロア | |
材種 | 天然木100% | 表面2mmが天然木 下地が合板 | 表面0.2mmが天然木 下地が合板 | 表面が木目調の プリントシート 下地が合板 |
木の質感 足触り | ◯ | △ | △ | × |
温もり | ◯ | × | × | × |
調湿性能 | ◯ | × | × | × |
材料の精度 | × | ◯ | ◯ | ◯ |
傷への強さ | × | × | × | ◯ |
反り・伸縮 | × | ◯ | ◯ | ◯ |
傷の補修 | ◯ | △ | × | × |
メンテナンス | × | △ | △ | ◯ |
床暖房 | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
あえて価格について書きませんでした。
なぜなら、無垢だから高い、カラーフロアだから安いというわけではないからです。
木材資源が豊富で沢山採れる樹種だと、カラーフロアよりも無垢の方が安い。
傷にとにかく強い、汚れにくい等、機能性が高いカラーフロアだと無垢よりも高い。
フローリングの樹種や機能性によって、価格が異なります。
フローリングの選び方については、別の記事でご紹介する予定です。
メンテナンス必須でも、足触りと温もりがある無垢材
今回、注目してほしいのが「メンテナンス」。
経年変化のある無垢材は、塗装やワックスが必須。
なぜなら無垢材は水に弱く、塗装やワックスでコーティングが必要だからです。
コーティングは、経年劣化で薄くなるので、数年に1度塗り直しのメンテナンスが必要。
一方で、他のフローリングは、工場で加工され、ノンメンテナンスで良いという材料が主流。
メンテナンス性だけを比べると、無垢材は手間だと感じます。
しかし、足触りや温もりが抜群に良く、経年変化で味が出るのが無垢材の最大の長所。
あまりにも気持ちよくて、床でゴロゴロ寝てしまうこともあります。
写真は、引越しを手伝ってもらった友人の子供が、思わずゴロゴロしちゃった瞬間です。
私は、毎日触れる床なので、足触りや温もりを優先し、数年に1度のメンテナンスを受け入れる選択をしました。
もちろん、「古民家リノベーションらしいデザイン」というコンセプトに沿った理由もあります。
経年美化した柱、和室装飾の木部が仕上げとして出ているので、そこにフェイクのフローリングを使いたくなかった。
本物志向の空間づくりをしたかったので、無垢材一択でした。
塗装とワックスの違い
無垢材の表面をコーティングするには、塗装とワックスの二択。
塗装は、色粉が含まれているものがあり、樹種本来の色とは異なる色にすることができます。
塗装の中でも、ウレタン塗装と自然系塗装の2種類に大別されます。
ウレタン塗装は、表面に弱いツヤのあるコーティングをつくり、高級感があるのが特徴です。
また、汚れに強く、撥水性も高く、通常の使い方であればメンテナンスが不要な場合があります。
ただし、木の質感や肌触りが弱くなり、もし傷などでコーティングが剥がれてきたらDIYで修繕することは難しいのがデメリットです。
自然系塗装は、表面にコーティングをつくらない浸透系の塗装です。
そのため、木の質感や肌触りが残り、無垢材の特徴をそのまま表現してくれます。
自然系という名前の通り、原材料は自然素材で、有害化学物質を極力含まない人にやさしいのが特徴です。
オスモカラー、リボスといったメーカーが、よく用いられています。
デメリットは、ウレタン塗装よりも汚れに弱く、定期的な塗り直しをしないと撥水性が維持できないことです。
入荷当初は工場で塗装したものが選べるので塗りムラはありませんが、メンテナンス時にDIYで塗装する場合は、塗装技術に影響されるので注意が必要です。
また、主要メーカーが海外製のため、在庫切れの場合は納期がかかってしまいます。
ワックスは、基本的に色粉を含まず、濡れたような色味(通称:濡れ色)になります。
ワックスも自然系塗装と同じ浸透系で、木の質感や肌触りが残り、無垢材らしい仕上がりが特徴です。
デメリットも同じく、ウレタン塗装より汚れに弱く、定期的な塗り直しが必要。
しかし、決定的に違うのはDIYのしやすさです。
塗装よりもワックスの方が簡単で、子供でもできます。
また、塗装品と比べてコストを抑えられるのも嬉しい所。
例えば、無垢フローリングドットコムで人気のチーク材で、価格を調べてみる。
(税別、送料別)
チーク ユニ (15×90×1820mm) | m2単価 | 20坪の価格 (66m2) | 差額 |
無塗装 | ¥5,500 | ¥363,000 | ±0 |
UVウレタン | ¥6,300 | ¥415,800 | +¥52,800 |
オスモ自然塗料 | ¥6,990 | ¥461,340 | +¥98,340 |
表の通り、無塗装と自然塗料では約10万円の差額があります。
同じ面積を塗るのに必要なワックス1Lは、7,000〜8,000円程度で購入できる。
DIY作業で、お休みが半日潰れることを加味してもお得です。
有名なワックスは、蜜蠟(みつろう)ワックス。
我が家では、「小川耕太郎∞百合子社の未晒し蜜ロウワックス」を採用しました。
蜜蠟とえごま油だけでできていて、舐めても安全なぐらい人にやさしい材料です。
そう聞いたので、実際に舐めてみましたが、少し苦いぐらいで、特に体調不良にはなりませんでした。
引っ越し後2年目に犬を飼い始めましたが、自然素材だけでできているから犬が舐めても安心。
傷や滑る問題については、別の記事で考察しているので参考にしてください。
たった3つの道具でできるDIYワックスがけ
それではどのようにDIYで、無垢材に蜜蝋ワックスを塗るのかご紹介。
まず、購入する無垢材フローリングは、無塗装品を選んでください。
塗装品の上から、さらにワックスを塗ることはできないので要注意。
最初の作業は、掃除機でしっかりと表面のホコリを取り除きます。
表面にゴミが残っていると、ワックスといっしょに固まってしまったり、ムラになるので、きれいに掃除しましょう。
掃除が終われば、準備するのはこの3つ。
乾拭きの雑巾、スポンジ、ワックスです。
缶から直接取るのは手間なので、取り皿を用意しておくとスムーズです。
あとは、塗るだけ。
スポンジの柔らかい方に、ワックスをつけて塗ります。
余分についた部分は、乾拭きで拭き取ってください。
その繰り返しです。
乾拭きがどんどんワックスまみれになるので、かえの乾拭きがあると良いでしょう。
引越し前に友人に手伝ってもらいました。
作業時間は大人5人で、40畳ぐらいの広さを3時間程度。
半日から一日しっかりと乾燥させなければいけないので、部屋の奥から計画的に塗っていきましょう。
もし暮らし始めてからのメンテナンスで塗り直すなら、暖かい時期がオススメ。
なぜなら、寒い時期は乾燥が遅く、半日では乾いてくれないからです。
我が家は、年末年始の大掃除のタイミングで塗ってしまい、見事に失敗。
なかなか家に入れず、乾燥しきらないまま入った結果、靴下にワックスがついてツルツルと滑っちゃいました。
LDKのような主要な部屋は、1〜2年がメンテナンスの目安なので、次回は夏にしたいと思います。
今回の記事からの学び
- フローリングは、主に4種類ある
- フローリングは、樹種や機能性によって価格がバラバラ
- 無垢材だから高い、カラーフロアだから安いとは限らない
- 無垢材は撥水性維持のため、定期的な塗装やワックスがけが必要
- 無垢材以外の工場加工のフローリングは、ノンメンテナンスが主流
- 無垢材は足触りがよく、経年変化を楽しめ、本物志向にピッタリ
- 無垢材の表面コーティングには、ウレタン塗装、自然系塗装、ワックスがある
- ワックスがけは、子供でもできるぐらい簡単で、DIYに最適
- ワックスの塗り直しメンテナンスは、暖かい乾燥しやすい時期がオススメ
この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
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