DIYってなに
DIY (ディー・アイ・ワイ)ってよく耳にするけど、どんな意味かわからない方も多いはず。
DIYは「Do It Yourself」の略で、専門業者の手を借りず、何かを自分で作ったり、修繕したりすることです。
近年、家づくりをする方に人気で、DIY専門ショップも各地に出店されています。
インターネット上では、toolboxというサイトが有名です。
DIYのメリットは、コストを抑えられること。
しかし、プロ目線的には、コストを抑えられる人もいるという認識です。
手先が不器用だったり、完璧を求めすぎたり、作業の難易度が高い場合は、専門業者に頼んだ方が短期間で、高い質の仕上がりで、なおかつ安いなんてこともあります。
安いというイメージだけでDIYに取り組むと、痛い目にあうかもしれないので気を付けて下さい。
そこで私が考えるDIYの最大のメリットは、住まいに愛着を持てることです。
自分や家族に作ってもらった料理が美味しいのと同じで、家づくりに自分の手を加えると強い愛着を抱けます。
もし子供が参加していたら、少し下手な感じが思い出話として家族の会話に出てくるでしょう。
家づくりに参加し、その過程を楽しみ、愛着を持てることが、DIYの最大の魅力です。
古民家リノベーションで、左官の塗り壁仕上げを選んだ理由
我が家では、左官の塗り壁仕上げをDIYで行いました。
そもそも、一般的なビニルクロス張りではなく、左官の塗り壁を選んだ理由は、既存の緑色の塗り壁にあった仕上げをしたかったからです。
既存の良い所を積極的に残して、デザインとして活かすことが、この住まいのコンセプト。
塗り壁には、ビニルクロスや塗装よりも、同じ方法で仕上げるのが最も相性が良い。
コストは、ビニルクロスや塗装よりも多少上がるかもしれませんが、ここは譲れないこだわりでした。
左官の塗り壁仕上げの特徴
左官の塗り壁仕上げというものには、主に漆喰と珪藻土の2種類の材料があります。
どちらも自然素材で、それぞれ特徴が違う。
漆喰 | 珪藻土 | |
主成分 | 貝の化石(消石灰) | 藻の化石 |
仕上がり | ツルっとした壁 | ザラザラした壁 |
経年劣化 | ひび割れ | ポロポロと崩れ落ちる |
調湿効果 | × | 〇 |
耐火性能 (燃えにくさ) | 〇 | 〇 |
耐水性 | 〇 | × |
殺菌・防カビ性 | 〇 | × |
汚れにくさ | 〇 | × |
消臭効果 | 〇 | 〇 |
調質性能や耐水性、殺菌・防カビ性能等、体感しにくい特徴ばかりのため、正直選ぶのが難しい。
どちらもビニルクロスや塗装よりも、体に良いのは間違いありません。
ツルっとした仕上がりなら漆喰、ザラザラした質感のある仕上がりであれば珪藻土という、デザインの好みで選んでも良いでしょう。
近年のDIYブームで、ネット通販でも簡単に左官の材料が買えるようになりました。
漆喰だけではなく、施工道具一式のセットで販売しているのが親切。
ちなみに我が家は、株式会社ムラモトのWallo(ウォーロ)という材料を使いました。
漆喰、珪藻土、断熱ビーズ、天然沸石の自然素材を混ぜたハイブリットな材料です。
一般的な漆喰や珪藻土よりも、材料費が安く、以前から気になっていた材料だったため採用しました。
仕上がりの雰囲気は、珪藻土の特徴が表れ、ザラザラとした陰影のあるイメージになります。
DIYワークショップで伝えたかったこと
古民家リノベーションのコンセプトから、自然素材の左官仕上げを選びましたが、なぜDIYワークショップを行ったのか。
理由は、2つあります。
1つ目は、家づくりの楽しさをエンドユーザーに伝えたかったからです。
当時、私は住宅会社に勤めていました。
(今は退職し、webマーケティングや広告の会社に勤務中)
エンドユーザーは、打合せ段階や工事過程を見ているだけでは、実感が湧いていない。
家づくりが、自分事になっておらず、楽しみきれていないと、私は感じていました。
そこで、工事に参加する、DIYをしてみることで、家づくりは楽しいと伝えられると考え、ワークショップ開催に至った。
そのワークショップは、サンプルの板に塗るだけではなく、本物の壁の方がリアルな体験ができる。
仕上がりはバラバラで、きれいとは言えないかもしれないけど、それも味。
何より、私自身がワークショップ参加者と楽しく、思い出に残る家づくりがしたかった。
皆さん笑顔で、汗をかきながら左官塗りをしていた光景は、今もいい思い出です。
2つ目は、いつも裏方に徹している職人さんの素晴らしさを、エンドユーザーに伝えたかったからです。
DIYと言っても、素人だけでは大変だと思い、左官職人さんにサポートをお願いしました。
職人さんが手本として簡単に塗って後、参加者が各々やってみると全然上手くいかない。
やっぱり職人さんってすごいです。
参加者は、職人さんにコツを聞こうと質問攻め。
いつもラジオが流れる現場作業とは違い、頼りにされ、すごいと褒められ、自然と職人さんも笑顔になっていました。
職人気質という言葉の通り、寡黙な方が多い。
しかし、ワークショップ終了後には、職人さんからも
「普段と違い、楽しかった。こんな褒められたのは久しぶりだ」
と言っていただきました。
職人さんの素晴らしさをエンドユーザーに伝える目的で、結果的に職人さんのモチベーションアップになり、一石二鳥でした。
ワークショップを通して、エンドユーザーにも職人さんにも、家づくりの楽しさを改めて伝えられ、私も満足です。
人の手仕事は味になり、思い出になる
DIYワークショップでは、2日間で計20組のお客さんに参加していただきました。
大人から子供まで、みなさん一生懸命。
子供は簡単なところ、大人は子供が手の届かないところ、職人さんは難易度の高いコーナー部分と、みなさん手助けし合いながら左官作業に取り組んでくれました。
模様が無いよう丁寧に塗る人もいれば、波のような模様を描く人まで、表現は様々。
人の手仕事による違いが、我が家の味になっています。
また、参加者の中には、私の甥っ子もいて、楽しんでいる様子が微笑ましかったです。
完成後、甥っ子が我が家に遊びに来て、真っ先に向かったのが、彼が塗った壁。
「ここ僕が塗った壁だよ。すごいでしょ」
と、満足気に話していて、とても嬉しい気持ちになりました。
私がやりたかったことは、甥っ子にも伝わり、家づくりの楽しさを実感してくれたみたいです。
やはり私が当初考えていた通り、家づくりに参加し、その過程を楽しみ、愛着を持てることが、DIYの最大の魅力です。
是非、これから家づくりをする人で、せっかくの機会を楽しみたい方は、DIYを取り入れてみて下さい。
今回の記事からの学び
- DIYは「Do It Yourself」の略で、専門業者の手を借りず、何かを自分で作ったり、修繕したりすること
- DIYは、必ずしもコスト削減にはならない
- 家づくりは、その過程への関わり方で楽しさが変わる
- DIYワークショップは、職人さんのモチベーションアップにもなる
- 家づくりに参加し、その過程を楽しみ、愛着を持てることが、DIYの最大の魅力
この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
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