ヒートショック対策!断熱リフォームの効果

ヒートショック対策!断熱リフォームの効果断熱・気密
この記事から学べること
  • ヒートショックは、交通事故よりも約4倍のリスクがある
  • 日本の住まいの約8割が、ヒートショックのリスクが高い無断熱状態
  • ヒートショックのリスクは、断熱リフォームで軽減できる
  • 断熱性能にはレベルがある
  • 断熱性能が高ければ工事費は高い
  • 断熱性能が高ければ光熱費が安く、長く住めば工事費の投資を回収できる
  • 長く、健康に、快適な暮らしのために、断熱リフォームがおすすめ

無断熱によるヒートショックの危険性

南海ホークス、ヤクルト、阪神、楽天などで監督勤めた野村克也氏が浴室での心不全でお亡くなりになりました。
心不全を誘発した原因として、「ヒートショック」である可能性が考えられます。

「ヒートショック」とは、急激な温度変化によって血圧が乱高下したり、脈拍が変動する現象。
暖房の効いたリビングから、寒いトイレに行った時。
温かい浴槽から上がって、寒い脱衣所に裸で行った時。
このように、暖かい環境から寒い環境に移った時に発生します。
急激な温度変化、血圧の急変化で、血管に負荷がかかり、脳卒中や心筋梗塞等を引き起こす恐れがある。
野村克也氏は、浴室で体調不良を起こしているところを家政婦に発見されました。
過去に大動脈瘤で入院しており、血管が丈夫とは言えないため、ヒートショックの影響があったと考えてもおかしくありません。

タイル張りで寒い、昔の浴室。

「私は大丈夫!」と思うかもしれません。
しかし、ヒートショックは交通事故での死亡よりも、高いリスクにあることはご存知でしょうか。
サッシメーカーのYKK AP株式会社の資料によると、
・交通事故による死亡者数が4,611人
・入浴中の死亡者数が約17,000人
となっています。
ヒートショックに関係すると考えられる死亡は、交通事故の約4倍
十分に気を付けなければいけません。

なぜ、交通事故よりも高いリスクなのか。
それは、日本が断熱後進国で、多くの住まいがヒートショックが発生し得る住環境になっているからです。

日本の住宅の8割はヒートショック対策が必要

日本の住まいで、どれぐらいが断熱性能があると言えるでしょうか。
専門書籍を参考に、表を作成しました。

日本の既存住宅の省エネ基準への適合状況
日経BP社「ホントは安いエコハウス」を参考に作成
省エネ基準1980年基準1992年基準1999年基準2013年基準
(性能等級4)
内容住宅の省エネ基準を
制定
断熱性能の強化断熱性能の大幅強化省エネ基準の
義務化を検討
背景1973年
オイルショック
1992年
気候変動枠組条例
1997年
京都議定書
2011年
東日本大震災による
電力危機
Q値(6地域)5.2以下4.2以下2.7以下0.87以下
体感レベルほぼ無断熱で
寒い
申し訳程度で
寒い
断熱してある
でも寒い
最低限レベル

1980年基準は、ほぼ無断熱に近い状態のため、76%は断熱がないヒートショックの危険性が高い住宅と言えます。
それ以後の住宅であれば安心できるのかと言えば、専門家目線では断言できません。
1992年基準においては、気密の考え方が希薄なため、申し訳程度の性能。

ここからわかることは、築20年以上(1999年以前)の住宅は、ヒートショックが起き得る住環境だということです。
ヒートショックを防ぐには、部屋間の温度差を小さくしなければなりません。
各部屋に暖房機器をかけておくことでも対策ができますが、光熱費が高くなるでしょう。
そこで必要になってくるのが、断熱リフォームです。

断熱の違いによる室温と光熱費の違い

断熱リフォームを行うことで、ヒートショックのリスクは軽減できます。
断熱と言っても、性能にはレベルがあり、体感温度やエアコンの効きが変わる
以下の表で、少しイメージしてみましょう。

基準次世代省エネ基準
(性能等級4)
Heat20 G1Heat20 G2Heat20 G3
冬の最低の
体感温度
8度10度13度15度
Q値 / UA値2.70 / 0.871.90 / 0.561.60 / 0.461.07 / 0.26
エアコンの効果頭と足元に温度差
窓も結露
個別空調が効率的
全館空調は非効率
エアコン1台で
全館空調が可能
最小機器で家中
空調が効く
対応できる企業どこでも可
ローコストレベル
どこでも可
一般的なレベル
地域トップの
性能特化企業
全国トップの
性能特化企業

断熱性能が高ければ高い程、ヒートショックの危険性を軽減できます。
そして、リスク軽減の先には、どこに居ても暖かい快適な生活がある。
当然、断熱性能が高ければ高い程、工事費は高くなります。
しかし、高い断熱性能では光熱費が安くなるので、長く暮らせば多めにかかった工事費は回収可能
以下の表は、私の家でのシミュレーション結果です。
私の家では、20年〜25年の間で高くなった工事費が、光熱費の差額で回収できる見込みとなっています。

ローコスト
住宅レベル
工務店
平均レベル
断熱特化
工務店レベル
断熱性能次世代
省エネ基準
ZEHHeat20G2
UA値0.870.600.46
冬場の最低の
体感温度
8℃9〜10℃13℃
工事費75万円110万円185万円
工事費の差±0+35万円+110万円
年間光熱費17.6万円13.9万円12.5万円
年間光熱費の差±0-3.7万円-5.1万円
10年での差37.0万円51.0万円
15年での差55.5万円76.5万円
20年での差74.0万円102.0万円
25年での差92.5万円127.5万円

まずは断熱リフォームから始めよう

交通事故よりもハイリスクなヒートショック
ヒートショックのリスクが、日本の住まいの8割にも及んでおり、誰にでも起きる健康被害だと理解しておきましょう。
ヒートショックから、ご自身やご家族を守るには、断熱リフォームしかありません。

住まいが傷んだから、リフォームしたい。
そんな相談を、設計の仕事をしている時によく受けました。
当時のお客さんは、見た目だけきれいにすればいいやという気持ちでの依頼が多かったです。
それは、ヒートショックのリスクを知らなかったり、我が家は町一番の大工さんが建てたから大丈夫という過信があったからかもしれません。

大きなリフォームになるので、まとまった工事費はかかるかもしれません。
しかし、その工事さえできれば、住環境は見違えるほどよくなります。
工事費全てとはいきませんが、光熱費の差で工事費の回収も可能です。

長く、健康に、快適な暮らしをするために、まずは断熱リフォームから始めましょう。

今回の記事からの学び

  • ヒートショックは、交通事故よりも約4倍のリスクがある
  • 日本の住まいの約8割が、ヒートショックのリスクが高い無断熱状態
  • ヒートショックのリスクは、断熱リフォームで軽減できる
  • 断熱性能にはレベルがある
  • 断熱性能が高ければ工事費は高い
  • 断熱性能が高ければ光熱費が安く、長く住めば工事費の投資を回収できる
  • 長く、健康に、快適な暮らしのために、断熱リフォームがおすすめ