周りに家づくりしている人が増えてきました。
でもほとんど新築なんですよ。
なんでリノベーションが少ないんですか?
それは、不動産取得にかかる時間や、住宅ローンの借入金額確定の期限に課題があるからです。詳しく説明してみますね。
不動産屋と契約する流れ
戸建てリノベーション向けの物件を探し、調査道具を持って内見に行ったあなた。
購入したい物件が見つかったので、不動産購入の流れをここで整理してみよう。
- ローンの仮審査を受ける
- 購入申込書(買付証明書)を提出
- 重要事項説明を受ける
- 手付金を支払い、売買契約を締結
- ローンの申し込み、契約
- 契約したローンで残金決済
- 引渡、登記
以上、7つの手順を経て、不動産の購入が完了します。
ここからが、リノベーション工事のスタートです。
手順の途中段階では、自己の所有物になっていないので、勝手に工事することができません。
7つの手順を踏むのにかかる時間が、約2ヶ月です。
えー!2ヶ月もかかっちゃうんですか!?
いやいや、たったの2ヶ月ですよ。
その間に、調査、設計、見積を終わらせないといけないんです。
そうしないと、6番目の不動産の残金決済とリノベーション工事費を、1度の住宅ローンで借りられないんです。
設計期限は1ヶ月半
不動産取得とリノベーション工事費を、1度の住宅ローンで組むことは難しいのです。
2ヶ月の間に詳細な調査、設計、見積を終わらせて、住宅ローンの本審査と契約まで終わらせなければいけません。
そのうち住宅ローンの本審査は、2週間必要です。
つまり調査、設計、見積に残された期間は、1ヶ月半になります。
週1回の打ち合わせができたとしても、6回の打ち合わせで金額確定までの内容を決めなければいけません。
打ち合わせが6回…
長く暮らす住まいだから、それだけで決められるか不安です。
2ヶ月もかかるではなく、2ヶ月しかないんですね。
このスケジュールのタイトさが、リノベーションを難しくしています。
スケジュール以外にも、難題があるんですよね。
リノベーションは解体しないとわからない
リノベーションは、解体してみないと正確な状況がわかりません。
状況がわからないということは、正確な金額がわからないということです。
床下や屋根裏は潜ればわかりますが、古い建物だと入れない部分があります。
壁の中は、特殊な機器を用いなければ確認できません。
機器は高価かつ使用頻度が低いので、所有している会社は限られています。
写真は、同じ場所から撮った解体前後の様子です。
私が買った物件は、調査での想定通り下地がきれいな状態でした。
しかし、必ずしも調査による想定があたるとは限りません。
解体するまで答えがわからない、金額がわからないのが、リノベーションを難しくしています。
リノベーションを上手く進めるポイント
- 設計期間が短い
- 解体しないと正確な金額がわからない
この2点が理由で、中古住宅を買って、リノベーションをすることが難しくなっています。
しかし、上手く進めるポイントがあります。
- 不動産を自己資金で購入する
- 予算計画に余裕を持たせる
不動産を自己資金で購入する
不動産取得とリノベーション費用を、一括ローンにする過程に課題があります。
その時間の短さを解決するために、別々の資金で取得するのが理想的です。
不動産は自己資金、リノベーション費用はローンとすれば、調査や設計期間が十分に確保できます。
しかし、そこまで資金的な余裕がある人は、少ないのが現実でしょう。
予算計画に余裕を持たせる
新築の場合は、全て決めてからその通り作れば増額はありません。
リノベーションの場合は、ある程度の目安金額はあります。
しかし、リノベーションは、解体してみないとわからないのが問題点です。
そこで、当初から何か問題がある前提で、予算を組んでおくとよいでしょう。
私は、工事費の10%を予備費としてみておくことをおすすめします。
全体の予算の立て方については、こちらのブログを参考にしてみて下さい。
もし予備費を使い切らずに、ローンの借入金額よりも総額が低くなった場合、余った分を返してしまいましょう。
今回の記事からの学び
- 不動産を購入し引渡を受けるまで2ヶ月かかる
- 不動産取得とリノベーション費用を一括のローンで組むには、1ヶ月半でリノベーション費用を確定しなければならない
- リノベーション費用は、解体しないと正確な金額がわからない
- 不動産を自己資金で取得するか、予備費をしっかりみることで、リノベーションに失敗しにくくなる
この記事を書いている私、鶴見哲也の自己紹介は、こちらの記事からご覧ください。
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